アゴが外れたときの日記

2019年3月24日

2004年7月19日。三連休最終日の夕刻のこと。

7月末まで西の方へ出張中なのですが、三連休は家に帰ってよいと言われたので実家の暑い部屋の中で扇風機をつけてゴロゴロしていました。あくびだってしました。フワーア。そうしたら驚いたことに、あくび後に俺の口が閉まらなくなりました。わーアゴが外れた。

アゴぐらい押せばはまるだろうと思い、自分の顔面に対して懸命に圧力を加えましたが、全然はまりません。実家の人々に助けを求めたところ、どうすればいいのか全然わからないとのこと。確かに俺も人のアゴをはめた経験がないので全然わからない。

その後の家族との協議の結果、専門家ならばクルクルと簡単にはめてくれるだろうという結論に達し、家族に送ってもらい、実家近くのB病院救急科へ行きました。

B病院に到着してみたら、とりあえず体温と血圧を測っといてと言われたので外れたアゴを押さえながら体温と血圧を測りました。関係ありますかねコレ。更に詳しい病状を書く紙を渡されたので「アゴが外れた」と記入。「この病状で、当病院で治療を受けたことがありますか?」なし。そして30分くらい待っていたところ、ようやく診察室へ呼ばれました。

診察前、強そうな医者に何故アゴが外れたのかと聞かれたので「あくびをしたらアゴが外れました」と正確無比な情報を伝えたところ、アゴの関係上、聞き取りが困難だったらしく、「話しはアゴをはめてから聞こうか」と言われました。

ところが強そうな医者の手をもってしても俺のアゴははまらず、入れかわり立ちかわり様々な医者が俺のアゴに圧力を加えました。イタタ。全然ダメ。医者の言うには、アゴが外れてから俺のアゴの筋肉が硬直しているらしく、固くて全く動かないそうです。医者「あはは。どうしようかこれ。」

俺のアゴはもう一生はまらないのかなと思い、口を開けてボーっとしていたところ、医者が「筋肉の硬直を緩和する薬を点滴すればアゴがはまる」と言い出しました。世に聞く筋弛緩剤というやつであろうか。

早速俺の腕にハイテク血圧計と点滴の針が装着され、よくわからない薬が体内に注入されました。頭がボーっとして眠くなってきた。アゴをはめに来たはずなのに、何故俺は頭がボーっとする薬を注入されているのだろうか。

その後、俺は頭が全く働かなくなり寝ぼけたような状態で、アゴを押されたり引っ張られたりアゴに包帯を巻かれたりし、気がついたら点滴と酸素吸入をされて頭が包帯で巻いてあり、外のベッドで寝ていました。あれ。アゴがはまってる。

俺は医者に「まさかこんなことになるとは思いませんでした」と言い、礼を言って病院を後にしました。明日からまた出張をがんばろうと思います。

終わり。